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TSUKUBA FUTURE #005:珍渦虫を知っていますか

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生命環境系 中野 裕昭 助教



中野 裕昭 助教

中野 裕昭 助教

フィヨルドの冬の海での夫唱妇随の珍涡虫採り

フィヨルドの冬の海での夫唱妇随の珍涡虫採り


珍涡虫の成体。これでも前后左右表里がある

珍涡虫の成体。これでも前后左右表里がある


乾燥したウミユリ。分類的にはヒトデなどと同じ棘皮動物

乾燥したウミユリ。
 分类的にはヒトデなどと同じ棘皮动物。 

平板動物の分裂の瞬間細。胞3層分程度の厚さというから、まさにペラペラ

平板动物の分裂の瞬间。
细胞3层分程度の厚さというから、まさにペラペラ


现在生きている动物は30~35の动物门に分けられます。私たちヒトは脊索动物门(尾索动物であるホヤ、头索动物であるナメクジウオ、脊椎动物の3亜门からなる)の一员です。
ホヤとヒトがなんで同じグループなのか不思议な気がしますが、ホヤの幼生はオタマジャクシのような姿をしていて自由に泳ぎまわるのです。动物の系统分类においては、成体の形だけでなく、発生の过程も重要な手がかりとなります。
近年はそれに加えて顿狈础の解析データも重要な键です。
脊索动物门と进化的に近い関係にあるのが棘皮动物门(ヒトデやナマコなど)と半索动物门(ギボシムシなど)で、脊索动物门を加えた3つの动物门は、新口动物(受精卵が分裂して体ができていく胚発生の过程で最初に肛门ができてから口ができる动物)と呼ばれています。



 珍涡虫(チンウズムシ)は体长1~3肠尘で、脳も眼も骨も肛门もない原始的な构造をした、不思议な海の生き物です。1878年に発见されて以来、生态が知られることはほとんどなく、长らく涡虫(プラナリアなどを含む扁形动物)の「珍しい」仲间と考えられていました。ところが2003年、珍涡虫は新口动物だとする论文が発表されました。肛门もないのになぜ? ウミユリという棘皮动物の研究で博士号を取得したばかりだった中野さんは、その报告に兴味を持ち、定期的に採集できる唯一の场所スウェーデンへの留学を决めました。そして、珍涡虫の観察や顿狈础解析などを行い、新口动物の中に、珍涡虫を含む珍无肠动物门という新しい动物门を2011年に提唱しました。つまり、分类学的には珍涡虫とヒトは近縁なわけで、珍涡虫を调べることで、ヒトがたどってきた进化の道筋に迫れるのです。


 スウェーデンで珍涡虫が见つかる场所は、冲合の水深100尘ほどの海底です。繁殖期の冬に、船で冲に出て、海底をさらって採取した泥を滤した残渣の中から手作业で探し出すのです。そうやっても见つかるのは1回に数匹~数十匹。これを実験室で饲育?観察していたところ、口すら持たない楕円形の幼生の世界初の観察に成功しました。


 珍涡虫の幼生は体を覆う繊毛を动かして活発に泳ぎ回り、5日ほど経つと成体と同じように水底を这い回るようになります。幼生は観察できましたが、卵から幼生になる过程、雄雌の区别、採食の仕方など、まだまだわかっていないことがたくさんあります。


 现在、中野さんは、下田临海実験センターで、スウェーデンから持ち帰った珍涡虫のデータ解析を进めると同时に、ウミユリや平板动物(平板动物门)の研究に取り组んでいます。これらも実に珍妙な生き物ですが、日本の海に生息しており、研究素材には事欠きません。平板动物は世界に1种のみですが、下田临海実験センターでも中野さんが3年前に発见し、日本ではここだけで野生の平板动物の研究が行われています。その大きさは1~2mmほど、神経细胞も筋肉细胞もないという、珍涡虫よりもさらに単纯で薄っぺらな构造をしています(细胞はわずか3层しかない)。単纯すぎてかえって分类が难しく、电子顕微镜観察や顿狈础解析により、ようやく复数グループの存在がわかってきました。やはり発生过程は未解明ですが、卵でも分裂でも増えるという変わった性质があり、今后の研究成果が注目されます。


 ちなみに最近、アメリカ沿岸の水深2000~3000mあたりで、体长10肠尘ほどもあるジャンボ珍涡虫が见つかったとか。海は底知れない惊きと谜に満ちています。小さな生き物に大きな谜が潜んでいると、中野さんは目を辉かせて语ります。


[動画] 動く珍渦虫



文責:広報室 サイエンスコミュニケーター


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