【Nature Index Selection】窒素ドープカーボン触媒の反応メカニズムを解明(Research highlights 2021年9月)
シュプリンガー?ネイチャーが運営するデータベースサイトNature Indexでは、毎月、主要な82ジャーナルの中から、本学所属の研究者による研究論文1報を、Research highlightsとして選出しています。2021年9月は、本件が紹介されました。

クリーンなエネルギー源として水素燃料电池の利用が始まっています。しかし现行の技术では、高価で希少な白金が触媒として使用されており、今后、长期に渡って幅広く普及するには、白金を使用しない触媒の开発が欠かせません。近年、白金代替触媒として、炭素と窒素のみから构成される窒素ドープカーボン触媒が注目を集めていますが、実用条件である酸性环境下では、活性を着しく低下させてしまうことが重大な课题です。ところが、触媒反応のプロセスが复雑であることから、活性低下が生じるメカニズムは明らかになっていませんでした。
本研究チームは、均一な构造を持つモデル触媒を用いることにより、窒素ドープカーボン触媒の反応の初期过程および酸性环境下で活性が低下するメカニズムを明らかにしました。
窒素ドープカーボン触媒では、窒素原子に2つの炭素原子が结合したピリジン型窒素と呼ばれる部位が活性点となります。このピリジン型窒素は、酸性溶液中では、プロトンが吸着したピリジニウムとして存在しており、电圧をかけて反応を进行させると、热反応である酸素分子の吸着と、电気化学反応であるピリジニウムの还元反応が同时に起こり、触媒反応が进行することを见いだしました。触媒活性を高めるためには、この反応をより高い电位で起こすことが必要です。そのためには活性点近傍の疎水性を高めることが有効であることも分かりました。
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プレスリリース研究代表者
筑波大学数理物质系中村 润児 教授