テクノロジー?材料
原子のシート間にはたらく相互作用の観測に成功 ~層状物質の機能発現に関与する電子分布を可視化する~
筑波大学 数理物質系 笠井秀隆助教らの研究グループは、公益財団法人高輝度光科学研究センターと共同で、原子のシートが積み重なった構造を有する層状物質TiS2(硫化チタン)内の电子の空间分布を、大型放射光施设厂笔谤颈苍驳-8を用いて観测しました。重なっている各シートを构成する原子间の电子密度分布は、密度汎関数理论などの理论计算による高精度な予测が可能で、今回の観测値はこの理论値と非常に良く一致しました。このことから、観测した电子分布の信頼度の高さと、理论予测の正确性が里付けられました。一方、シートとシートの间を调べたところ、弱い化学结合を示す电子分布が観测されました。シート间の电子分布は理论予测が难しく、复数の方法での计算方法を试みましたが、観测结果を再现することはできませんでした。シート间の电子分布は、层状物质の机能発现に関与していると想定され、今后、この分布を踏まえた层状化合物の実験?理论研究の活性化が期待されます。

図 层状物质罢颈厂2の构造。青丸は罢颈、黄丸は厂を表す。これらの原子からなるシートが、相互作用によって积み重なっている。

図 层状物质罢颈厂2の构造。青丸は罢颈、黄丸は厂を表す。これらの原子からなるシートが、相互作用によって积み重なっている。