テクノロジー?材料
グラファイト系炭素材料の特異な性質を発見 ~平坦な表面に無磁場下で現れるランダウ準位~
筑波大学数理物質系 近藤剛弘准教授、中村潤児教授らは、同、郭東輝(Donghui Guo)研究員、岡田晋教授らと共同で、窒素原子をドーピングしたグラファイトの原子レベルで平坦な表面において、無磁場下にもかかわらず約100テスラもの超高磁場を2層グラフェンに垂直に印加した場合に相当するランダウ準位が出現することを、詳細な計測から明らかにしました。
これまで無磁場下で生成するランダウ準位の起源としては、歪(ひずみ)が引き起こす擬磁場が議論されてきましたが、今回歪の無い原子レベルで平坦な表面でランダウ準位が観測され、歪以外の起源で生成するランダウ準位の存在が初めて明らかとなりました。我々が過去に提唱したドメインモデルと呼ばれる無磁場下でのランダウ準位発生のメカニズムを支持する結果となり、電子デバイスや触媒の新しい材料として期待されているグラフェンなどのグラファイト系炭素材料の特異な性質が新たに見出されました。

図 a, 窒素ドープグラファイト表面の厂罢惭像.b, 厂罢惭像中の础~顿の各点上で测定した厂罢厂スペクトル.通常のグラファイトには表れないピークが复数存在しており,それぞれ0~±3でラベル付したピーク位置が2层グラフェンに垂直に约100テスラの外部磁场を印可した际に出现するランダウ準位のエネルギー位置と一致することがわかりました。c, 厂罢惭像中の破线のラインプロファイル。原子の凹凸以外に歪に由来する凹凸が存在しておらず原子レベルで平坦であることを示しています。d, 厂罢厂スペクトルのピーク位置(縦轴)を2层グラフェンのランダウ準位(横轴)と照らし合わせた図(横轴の苍がピークにラベル付した0~±3の値に対応します)。

図 a, 窒素ドープグラファイト表面の厂罢惭像.b, 厂罢惭像中の础~顿の各点上で测定した厂罢厂スペクトル.通常のグラファイトには表れないピークが复数存在しており,それぞれ0~±3でラベル付したピーク位置が2层グラフェンに垂直に约100テスラの外部磁场を印可した际に出现するランダウ準位のエネルギー位置と一致することがわかりました。c, 厂罢惭像中の破线のラインプロファイル。原子の凹凸以外に歪に由来する凹凸が存在しておらず原子レベルで平坦であることを示しています。d, 厂罢厂スペクトルのピーク位置(縦轴)を2层グラフェンのランダウ準位(横轴)と照らし合わせた図(横轴の苍がピークにラベル付した0~±3の値に対応します)。