【Nature Index Selection】光で繊毛運動を調節する新規タンパク質の発見(Research highlights 2021年7月)
シュプリンガー?ネイチャーが運営するデータベースサイトNature Indexでは、毎月、主要な82ジャーナルの中から、本学所属の研究者による研究論文1報を、Research highlightsとして選出しています。2021年7月は、本件が紹介されました。

繊毛は、细胞から生えている毛状の构造です。私たちの体内にも存在し、精子の运动や、脳、気管、输卵管などの上皮组织の水流発生を担っています。また、気管などの呼吸器官では、ウイルスや细菌を排除するために重要です。繊毛の中で力を生み出し、运动を起こしているのが、分子モーターであるタンパク质复合体「ダイニン」です。ダイニンの働きは、化学物质や光などの细胞外からの刺激によって変化することが知られています。本研究では、海产动物であるホヤと単细胞緑藻类であるクラミドモナスを用いて、繊毛のダイニンに结合してその动きを调节する、新规の光応答性タンパク质を発见しました。
今回発见されたタンパク质は、青色光の受容に関与する领域を持ち、ダイニンのモーター部分と结合することが分かりました。生物に强い光が当たると、细胞内に活性酸素などが発生し毒性を示します。このため、多くの生物は强い光を避ける倾向があります。クラミドモナスに强い光を当てると、光を避ける行动が见られ、それが长い时间维持されます。一方、このタンパク质を欠いたクラミドモナス変异体は、一时的に强い光を避けますが、すぐに惯れて、再び光に寄っていくようになりました(顺化)。つまり、本タンパク质は、ダイニンの动きを调节して、光に顺化してしまうのを防止する役割があると考えられます。
今后、繊毛运动の光调节机构の详细を明らかにすることにより、将来的には、繊毛运动を光で人為的に调节できる可能性も期待されます。
笔顿贵资料
プレスリリース研究代表者
筑波大学生命环境系大阪大学大学院理学研究科
昆 隆英 教授
东京工业大学科学技术创成研究院化学生命科学研究所
若林 憲一 准教授
スイス?ポール?シェラー研究所
石川 尚 グループリーダー
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