生物?环境
マウスES細胞から胃細胞を作成 ~創薬研究に朗報~
研究成果のポイント
1. マウス贰厂细胞を分化させることで、试験管内にて胃の组织细胞を作製することに成功しました。2. 作製した胃组织は消化酵素やヒスタミン刺激によって胃酸を分泌しており、试験管内でも胃の机能の一部が再现されていることが确认できました。
3. 薬の安全性试験や病态モデル作製等の创薬基盘研究への応用が期待できます。
研究の概要
筑波大学生命环境系の王碧昭教授、大学院生で日本学术振兴会特别研究员の野口隆明および产业技术総合研究所创薬基盘研究部门干细胞工学研究グループの栗崎晃上席主任研究员は、マウス贰厂细胞を用いて、试験管内での培养のみで立体的かつ胃の机能を一部担う胃组织の作製方法を开発しました。本研究では、胎生期の胃の元になる部分(ほぼ胃の原基に相当)に着目し、胃の原基で発现する遗伝子Barx1, Sox2を指標として、ES細胞から効率良く胃の原基構造を分化誘導できる培養条件を同定しました。さらに、この胃の原基構造を長期にわたって3次元培養することで、マウス新生児に見られる胃線に似た構造を持つ、立体的な胃組織の作製に成功しました(図1)。 作製した胃組織内の胃線では、消化酵素を溜め込んだ主細胞が確認でき、構造的に見ても新生児の主細胞に非常に似ていることがわかりました(図2)。さらに、この胃組織は、培養液中に消化酵素であるPepsinogenを分泌し、ヒスタミン刺激に応答して酸を分泌し、培养液の辫贬を下げる能力を持つこともわかりました。以上から、贰厂细胞から作製した胃组织は、胃の机能の一部である消化酵素と胃酸の分泌も行っていることが示唆されました。今后は、ヒト多能性干细胞を用いたヒト胃组织を作製する方法の开発を目指します。
この成果は2015年7月20日に英科学誌Nature Cell Biology誌のオンライン版に"Generation of stomach tissue from mouse embryonic stem cells."の題名で掲載されました (doi:10.1038/ncb2300)。また、同年7月31日の同誌News and Viewsオンライン版の研究ハイライト欄で、"Building stomach in a dish."というタイトル記事として紹介されました (doi:10.1038/ncb2311)。

図 贰厂细胞から作製した立体的な胃组织(図1)、および贰厂细胞から作製した主细胞(消化酵素を分泌)とマウス新生児の主细胞との比较(図2)。(掲载论文より引用)
※本研究は、日本学术振兴会?科学研究费补助金の助成を得て実施されました。
问い合わせ先
王 碧昭(おう へきしょう) 筑波大学生命环境系 教授野口 隆明(のぐち たかあき) 筑波大学大学院生命环境研究科博士课程 日本学术振兴会特别研究员

王 碧昭教授(左)と野口 隆明さん