室岡 健志さん
2016/12
室岡 健志(ムロオカ タケシ)さん
2003年入学?2007年卒业 第一学群社会学类
University of Munich, Department of Economics
Assistant Professor of Economics
① 現在のお仕事を聞かせてください。
ミュンヘン大学経済学部のAssistant Professorとして,市場における企業の行動(価格付け戦略など)を分析する「産業組織論」と,経済学に心理学的な要素を組み入れた「行動経済学」の研究をしています。
现代社会で取引される商品,特に金融商品の中には,契约内容が复雑すぎて,消费者が商品の特性を完全には理解できていないケースが存在します。アメリカで起きたサブプライムローン问题に代表されるように,そうした复雑な商取引において公司が正确な情报を提供せず,结果として消费者が不利益を被ることが社会的に大きな问题となっています。一方,公司には消费者に有益な情报を提供し,より多くの顾客を集める诱因もあります。私が行っている一连の研究では,いかなる状况で公司は消费者に正しい情报を提供するのか,また正しい情报が提供されない场合はどのように経済的损失が生じ,どのような政策が必要になるのか,を理论的に分析しました。执笔した论文が消费者保护政策に直接繋がっていることもあり,やりがいを感じています。
<勤务先であるミュンヘン大学>
② 今改めて,筑波大学で良かったと思うことを聞かせてください。
筑波大学の良さとして,一番に思い浮かぶのは人间同士の距离の近さです。宿舎生活や授业を通して学生同士の仲を深められたのはもちろん,先生方との距离も非常に近く,亲身になった指导をしていただきました。例えば,ゼミを先生と自分の1対1で受讲させていただいたこともありましたし,経済学検定の大学対抗戦に出场するためにサークルを立ち上げた际には,非公认サークルであるにも関わらず顾问となって勉强会を开いてくださった先生もいらっしゃいました。
また,他学类の授业をフレキシブルに受けられたことも良かった点の一つです。経済学の中でも数理モデルを用いた理论分野への兴味が强まっていた时に,所属していた社会学类の授业以外にも,情报学类や社会工学类,生物资源学类など他学类の数学系の授业を受けられたことは大変ありがたかったです。
③ 本学と本学の学生に対してメッセージをお願いします。
学生の皆さんにはぜひ在学中に,长い时间をかけて物事に取り组んでほしいと思います。体系立てて読书に取り组んだり,海外を放浪したりといった経験は,时间が取れる学生时代しかできないことだと思います。
素晴らしいカリキュラムを提供してくれた筑波大学には本当に感谢しています。今后は卒业生とのネットワーク作りにより力を入れて欲しいですね。机会があれば后辈学生たちの力になりたいと思っている卒业生はたくさんいるはずです。もちろん私もその一人ですので,海外で経済学を学ぶ?研究することに兴味がある学生の皆さんは,いつでもご连络ください。
<ジュネーブで开かれたヨーロッパ経済学会での発表の様子>
PREVIOUS
Ali SDIRIさん