ダイヤモンドを用いた広帯域波長変換に成功 ?新しい量子センシング技術の糸口に?

强い光と物质の相互作用に関する研究は、1960年にレーザーが开発されて以降、非线形光学分野として発展してきました。その中でも特に活発に研究されているのが高调波発生です。非线形光学结晶にレーザー光を照射した际に、その周波数の整数倍の光が放出される现象で、2倍の周波数の光が発生する场合を第二高调波発生、3倍の场合を第叁高调波発生と呼びます。レーザー光の波长を変换する际などに用いられます。そして近年は、光共振器や光导波路などの光通信用技术としてダイヤモンド非线形光学が进展してきました。
本研究では、ダイヤモンドの表面近傍に窒素?空孔(狈痴)センターと呼ばれる欠陥を导入してダイヤモンド结晶の対称性を操作し、第二高调波、第叁高调波発生など、広帯域の波长変换を行うことに成功しました。
この実験で波长変换の効率を评価したところ、第二高调波が第叁高调波と同程度の高効率で生成されていました。その理由として、第二高调波がダイヤモンドの表面に极めて近い深さ约35苍尘(苍尘は10亿分の1メートル)の领域で発生し、第叁高调波の駆动力となっていることが明らかになりました。
また、このダイヤモンド中狈痴センターの非线形光学効果により、波长1350~1600苍尘の赤外光が、波长450~800苍尘の可视~近赤外光にわたる広い帯域で波长変换でき、短い波长ほどその変换効率が高いことも判明しました。
ダイヤモンド中狈痴センターによる第二高调波発生、すなわち电场振幅の二乗に比例する2次の非线形光学効果が可能となれば、ダイヤモンド结晶では今までできなかった电场による屈折率変调(电気?光学効果)なども可能となり、ダイヤモンド非线形光学の新领域を开拓できます。さらに、第二高调波発生や电気?光学効果などを利用した新しい量子センシングの开発への贡献も期待されます。
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プレスリリース研究代表者
筑波大学数理物质系北陸先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 応用物理学領域
安 东秀 准教授