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ランナーの下肢の外形と中身からひもとくヒトのランニング适性

研究イメージ画像
(Image by Real Sports Photos/Shutterstock)
 ランナーは経済的に走るために脂肪量を削ぎ落としていますが、その下肢は軽さほどには振りやすくないことを発见しました。この知见は、运动に従事しないヒトでも体脂肪は体の中心近くに蓄积するため、重くなっても下肢が振りにくくならないという优れた基本特性をヒトが有することを示唆します。

 ヒトは动物の中でも长距离走が得意な种ですが、体形や身体组成は个々人で异なり、普段の运动タスクに适応するように特徴づけられます。「走る」动作には、蹴り出した下肢を前后に振り戻す段阶があります。付け根が重く末端が軽い"先细り"な下肢の方が振りやすいため、エネルギー消费を抑える上で有利です。それでは、日常的なランニングに身体を适応させたランナーは、さらに振りやすい下肢を持つのでしょうか?それとも、ヒトは脂肪量に関わらず、振りやすい下肢を持つのでしょうか?

 本研究では、磁気共鸣画像化装置(惭搁滨)を用いて、ランナーと运动习惯のない一般人の下肢の内部构造(骨?筋肉?脂肪)を详细に叁次元モデル化し、质量や「回転のしにくさ(惯性モーメント)」を精密に计算しました。その结果、ランナーの下肢は一般人より軽くなっている(质量が减少している)ものの、惯性モーメントの减少は质量の减少ほど大きくないことが明らかになりました。

 この発见は、「ランナーの下肢では、軽さほどに振りやすさが改善されてない」ことと同时に、「一般人の下肢は、その重さにもかかわらず予想以上に振りやすい」とも解釈できます。つまり、ヒトの身体には、体脂肪がある程度増加して下肢が重くなったとしても、下肢の振りやすさが极端に悪化しないという、走りの経済性を维持する仕组みが备わっていると考えられます。これは、长距离を経済的に移动するために、ヒトが种として持っている基本的な特性かもしれません。

 この成果は、ヒトの身体の仕组みや成り立ちを解き明かす一助となると期待されます。

笔顿贵资料

プレスリリース

研究代表者

筑波大学 体育系

枝川 岳史 スポーツ医学学位プログラム(3年制博士課程)2年次

掲载论文

【题名】
Proximal-specific reduced mass of lower limbs in male endurance runners does not result in improved mechanical ease of leg swing in proportion to reduced mass
(持久力男性ランナーにおける近位に特异的な下肢质量の减少は、质量の减少に见合った下肢の机械的な振りやすさの向上をもたらさない)
【掲载誌】
Journal of Biomechanics
【顿翱滨】

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