血液中のインターロイキン17础过剰は脳のミクログリア活性を低下させる~ASDなど精神?神経系疾患治疗への道标~

精神?神経系疾患の発症や病态に免疫系が重要な役割を果たしていることが分かってきました。特にヘルパーT细胞17(罢丑17细胞)による免疫反応は、自闭スペクトラム症(础厂顿)や统合失调症、うつ病などの病态に関与することが多くの临床研究から示唆されています。これらの患者の中枢神経系ではニューロンの配列?层构造の异常やシナプスの密度?形态の変化などが认められ、机能异常の基盘となっていると考えられますが、罢丑17细胞がどのように寄与しているかの理解は进んでいません。
Th17細胞は腸の粘膜に多く存在し、インターロイキン(interleukin; IL-)IL-17A産生細胞として同定されました。ASD患者では血中IL-17A濃度が上昇しており、IL-17Aレベルと重症度が相関することが報告されています。ASDは、コミュニケーションが上手くできず、興味や活動が偏るなどの特徴を持つ発達障害で、認知脳機能障害を伴います。本研究では、血液中のIL-17A濃度が慢性的に高いモデルマウスを作製し、中枢神経系の変化と行動への影響を解析しました。
脳には血液脳関门というバリアがあり、血液中の异物が脳内に入ることを防いでいます。血液脳関门を构成する细胞(アストロサイト)は血管と神経细胞の间にあり、中枢神経系に入る分子を监视する役割があります。このため、アストロサイトが滨尝-17础の浓度変化を検知し、活性化するのではないかと推测し、研究を进めました。そして、脳の中でも记忆の形成に重要な海马に注目して解析を行いました。その结果、当初の仮説に反し、モデルマウスの海马アストロサイトの密度や形态には大きな変化は认めらませんでした。一方、海马の歯状回と呼ばれる部位の脳内免疫细胞(ミクログリア)の密度が顕着に减少し、その活性も低下していることを见出しました。
本研究で、免疫分子滨尝-17础が精神?神経系疾患における中枢神経系の器质的异常を引き起こすメカニズムの一端が明らかになりました。ミクログリアを标的とした治疗薬の开発や、自己免疫疾患治疗薬として确立している滨尝-17础抗体などの精神?神経系疾患予防および治疗への応用が期待されます。
笔顿贵资料
プレスリリース研究代表者
筑波大学 医学医疗系