2021年ハイチ地震の复雑な発生机构を解明~横ずれ断层と逆断层の破壊をもたらしたプレートの斜め衝突~
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2021年8月14日、ハイチ共和国南西部においてマグニチュード (M) 7.2の大地震が発生し、建物の崩壊などにより2000人以上の犠牲者を含む、甚大な被害をもたらしました。カリブ海に位置するハイチ周辺は、カリブプレートと北アメリカプレートが、プレートの境界面に対して斜めに衝突しており、地震の発生領域として知られています。こうしたプレート運動は、ハイチを東西に貫く横ずれ断層帯を形成し、隆起や沈降を伴う急峻な地形をもたらしています。しかし、このように複雑なプレート運動が、被害的な大地震の発生やその破壊様式とどのように関係しているのかについては、よく分かっていませんでした。
本研究では、2021年ハイチ地震の震源过程を解析し、破壊様式の全く异なる逆断层と横ずれ断层によって构成される、极めて复雑な地震破壊が発生したことを明らかにしました。
2021年ハイチ地震の発生领域はハイチを东西に贯く主要な横ずれ断层帯に位置します。しかし、二つの地震破壊イベントは、どちらも既知の横ずれ断层帯から予想される断层の向きや断层の动きとは相容れない、お互いに全く异なる破壊様式を持つことを见出しました。さらに解析を进めた结果、形状の异なる复数の断层が破壊されることで、建物の崩壊や地すべりの発生につながる地震动を発生させたことが分かりました。
本研究により、衝突とすれ违いを伴う复雑なプレート运动が、复雑な断层セグメントを形成し、结果的に复雑な地震破壊をもたらすことが明らかになりました。断层形状や破壊様式の异なる复雑な地震破壊の発生は、地震による被害リスクを増大させる可能性があり、本研究成果はハイチにおける今后の地震被害を评価する上で重要な知见です。